血行促進
サウナに入ると、心拍数が通常時に比べて2倍程度あがります。
これにより血液の循環が良くなり、温熱効果によって柔らかくなった筋肉への血流が増加し、疲労物質が排出されやすくなるため、身体の疲労感が軽減されるのです。
ただし、ドライサウナの場合、眼が乾燥しやすくなるので、眼精疲労を回復させたいのであれば、ウエットサウナ(ロウリュのできるフィンランド式サウナ)を利用することをおすすめします。
また、サウナには、ダメージを受けた組織の炎症を取り除き、さらに、活性酸素を減少させる効果もあると言われているため、ダメージを受けにくい体を作ることができます。
HSP(ヒートショックプロテイン)の増加
サウナに入って、熱刺激を受けると、ヒートショックプロテイン70(HSP70)という物質が出ます。
HSP(ヒートショックプロテイン)は、熱による刺激が加わると、活性化される特殊なタンパク質で、細胞を修復する働きがあります。
これにより、細胞がダメージから回復しやすくなり、疲労回復や筋肉の修復が早まります。
HSP70は、HSP37、HSP47など、何種類もあるHSPの中でも特に、抗酸化力が強いことが知られています。
また、HSPは、深部体温が38℃を超えるとたくさん出やすくなるので、深部体温が上がりやすいサウナの入り方をする必要があります。
「90℃のドライサウナ」と「60℃のウェットサウナ(ミストサウナ、塩サウナ、ロウリュができるサウナなど)」を比べた場合、深部体温が上がりやすいのは実は「ウエットサウナ」の方です。
特に、ロウリュができるフィンランド式のサウナは、80℃〜90℃のところが多いので、深部体温をあげることが目的の場合、フィンランド式サウナがおすすめです。
免疫力アップ
サウナには、免疫力を高め、風邪やインフルエンザなどの感染症に強くなる効果があります。
先ほど、述べたとおり、サウナで体温があがると、ヒートショックプロテイン(HSP)が生成されます。
このHSPには、免疫細胞も修復する働きがあり、免疫細胞の機能を活性化させます。これにより、体の防御機能が強化され、病原菌、ウイルスに対する抵抗力が高まります。
実際に、定期的にサウナを利用している人々は、風邪をひく頻度が少ないと報告されています。
日常の中で、定期的にサウナを取り入れることで、免疫力を維持し、健康的な体を保つことができます。
忙しくて、なかなかサウナ施設に通う時間のない方は、自宅用サウナも検討してみてください。
睡眠の質向上
サウナには、深い睡眠(ノンレム睡眠)の時間を2倍にするという驚くべき効果があると言われています。
睡眠には、浅い睡眠(レム睡眠)と深い睡眠(ノンレム睡眠)の2種類の睡眠状態があることが知られており、脳や体の疲労回復が行われるのは深い睡眠の時だと言われています。
しかし、疲労回復を目的に何時間寝ても、深い睡眠の時間を延ばすことはできません。
深い睡眠は睡眠の前半でしか現れないため、浅い睡眠の時間をいくら延ばしても疲労回復することはできないのです。
深い睡眠を長時間確保するには、睡眠の質を上げる必要があります。
サウナには、この深い睡眠の時間を延ばす効果があります。サウナに入ると、睡眠初期の段階で、サウナに入らなかった時と比べて深い睡眠が長時間現れるため、短時間の睡眠で疲労回復することができます。
脳疲労が取れる
普段、私たちがぼーっとしている時というのは、DMN(デフォルトモードネットワーク)という脳の神経活動が活性化されている状態です。
ぼーっとしているときは脳が休んでいるように思われがちですが、実は脳の総エネルギーの60〜80%を消費していると言われています。
DMNがONの状態では、無意識に様々な考え事をしてしまうため、脳が疲れやすいのです。
一方、DMNがOFFの時は、CEN(セントラルエグゼクティブネットワーク)と呼ばれる神経回路が活性化した状態です。
寝食を忘れて何かに没頭して集中している状態であり、他の情報が遮断されるため、脳のエネルギー消費量が抑えられて疲れにくいと言われています。
サウナに入ると、危機的な暑さのために余計なことを考えられなくなります。
つまり、強制的に思考を停止させてDMNを不活性化することで、脳のエネルギー消費量を抑え、脳をスッキリさせることができるのです。