サウナの正しい入り方を理解することは、単に汗をかく以上の価値を生み出します。
正しい手順を踏むことで、心身のリラックス効果、自律神経の調整、血流改善、美肌効果、睡眠の質向上など、さまざまな健康メリットを最大限に享受することができるのです。
ここでは、初心者でも安心して実践できる「基本の入り方」をステップごとに詳しくご紹介します。
サウナに入る前:準備がすべてを決める
サウナ体験の質は「入る前の準備」で大きく左右されます。まず重要なのが水分補給です。
サウナでは大量の汗をかきますが、それによって体内の水分やミネラルが急激に失われます。
そのままでは脱水症状や立ちくらみを起こす可能性があるため、入室の10〜15分前には必ず200〜400ml程度の水分を補給しておくことをおすすめします。
次に、身体と頭をしっかりと洗いましょう。
これは他の利用者に対するマナーでもあり、サウナ室を清潔に保つために不可欠な行為です。
また、毛穴の汚れや皮脂を落とすことで、発汗がスムーズになり、サウナ効果が高まります。
その後、身体に残った水分はタオルで丁寧に拭き取りましょう。
濡れたままだと体表面の水が高温で熱され、やけどの原因となる場合もあるためです。
サウナ室に入る:温まり方にコツあり
いよいよサウナ室に入る段階です。
ここで大切なのは「自分にとって快適なポジション」を見つけること。
基本的にサウナ室は上段ほど温度が高く、下段は比較的マイルドです。
初心者はまず下段からスタートし、身体が温まってから上段に移動すると良いでしょう。
座る際には、サウナマットやタオルを敷くのが基本です。これは衛生面の配慮だけでなく、木材からの熱を緩和する役割もあります。
滞在時間の目安は8〜12分。慣れてくれば15分前後も可能ですが、「つらくなる前に出る」が原則。
のぼせや息苦しさを感じたら、無理せず外に出ましょう。
また、頭部を守るためにサウナハットを被るのもおすすめです。
高温のサウナでは頭に熱がこもりやすく、体調を崩す原因になるため、熱を逃がす工夫が大切です。
また、上記と同様の理由ですが、サウナハットは乾いた状態で入室するように心がけましょう。
サウナ室を出て水風呂へ:整いの鍵を握るステップ
しっかりと発汗したら、次は「冷却」ステップです。
サウナ室を出たらまず、かけ湯またはシャワーで体に付着した汗を流します。
これを怠ると、水風呂が不衛生になるだけでなく、汗が皮膚のバリアとなって冷却効果が半減してしまいます。
水風呂の温度は15〜20℃が一般的。
初心者は「冷たすぎる」と感じるかもしれませんが、30秒〜1分ほど静かに浸かることで、次第に心拍が落ち着き、血管の収縮によって心地よい感覚が生まれてきます。
慣れてきたら、最大で2分程度まで入っても問題ありません。
ただし、「頑張って長く入ること」が目的ではありません。
大切なのは、体調と相談しながら適切な冷却を行うことです。
外気浴へ:真の「ととのう」を体感
水風呂の後は、外気浴で身体をゆっくり常温に戻します。
バスタオルで水気を拭き取り、リクライニングチェアやベンチに座って目を閉じて深呼吸するだけで、全身がふわっと軽くなり、いわゆる「ととのう」状態へ導かれます。
この外気浴の時間は5〜10分が理想ですが、「心地よい」と感じる間だけでも十分です。
脳内にはα波が出て、深いリラックスと集中の中間のような心地よい状態を体験できます。
この3ステップ「温→冷→休」を1セットとし、2〜3セット繰り返すのが基本的なサウナルーティンです。
最初は1セットでも十分効果を感じられるので、無理せず楽しむことを優先してください。
正しい手順と自分の体調を意識したサウナの入り方を実践することで、心と体にとって理想的な回復とリフレッシュが得られるでしょう。