
サウナの種類とそれぞれの電気代
サウナと一口に言っても、その種類や構造、使用されるストーブの出力によって消費電力や電気代は大きく変わります。
家庭で楽しむ小型のパーソナルサウナと、温浴施設やホテルに設置されている業務用サウナとでは、必要な電力も電気代も桁違いです。
ここではまず、家庭用と業務用の違い、さらに近年人気のバレルサウナを含む屋外サウナの特性について詳しく見ていきます。
家庭用サウナは、主に1人から4人程度の利用を想定した小型〜中型サイズが主流です。
サイズによって必要なサウナストーブの出力が異なり、一般的には2〜4kW程度の電気ストーブを使用します。
この規模であれば、1時間運転しても電気代は60〜120円程度に収まるのが目安です。
例えば、3kWのストーブを1回あたり1.5時間運転し、週3回使用する場合を試算してみましょう。
1kWhあたりの電気料金を31円とすると、
3kW × 1.5時間 × 週3回 × 4週 × 31円 = 約1,674円/月となり、月額にして2,000円弱です。
家庭用サウナのランニングコストが比較的低い理由は、加熱に必要な空間が小さいため、効率よく温度を上げられるからです。
最近では熱効率の良い断熱構造や、予熱時間を短縮できる高速加熱モデルも登場しており、より少ない電気代で「ととのう」体験を楽しめるようになっています。
一方、業務用サウナはまったく性質が異なります。
スポーツジム、温泉施設、スパ、ホテルなどに設置される業務用サウナは、多くの利用者が出入りするため、常に高温を維持しなければなりません。
そのため消費電力は8〜12kW以上が一般的で、大型施設では15kWを超えることもあります。
仮に10kWの業務用サウナを8時間連続運転した場合、1日の電気代は
10kW × 8時間 × 31円 = 約2,480円/日となり、月25日稼働すれば約62,000円にもなります。
施設は複数のサウナや浴槽、空調設備も同時に稼働させているため、電気代の総額はさらに高額です。
これだけのコストをかけてでも高温・快適な環境を維持していることを考えると、家庭用サウナがいかに経済的かがよくわかります。
さらに、近年注目されているのが屋外に設置するバレルサウナです。
木製の樽型サウナで、丸みを帯びた構造が可愛らしく、庭や別荘に設置する人も増えています。
バレルサウナの特徴は、屋外設置ゆえに外気温の影響を受けやすい点です。
冬場や風の強い日には、室温を維持するためにストーブの稼働時間が長くなり、同じ出力でも屋内サウナより電気代が高くなる傾向があります。
例えば、外気温5℃の冬場にバレルサウナを使う場合、室温を90℃まで上げるには1時間以上の予熱が必要で、使用後も熱を逃さないようにストーブを長く動かす必要があります。
その結果、同じ3kWストーブでも屋内サウナより2〜3割ほど電気代がかかる場合があります。
また、屋外サウナにはテントサウナという選択肢もあります。
テントサウナは、コンパクトに収納できる耐熱テントと簡易ストーブを組み合わせたもので、持ち運び可能なアウトドア仕様が多いです。
電気ストーブを使用するモデルもありますが、薪ストーブ式が主流です。
電気式の場合は1.5〜2kW程度で、短時間での使用なら電気代は1回あたり数十円で済みます。
ただし、断熱性が低いため、屋外での長時間利用は効率が悪く、冬場は電力消費がかさむ傾向があります。
このように、サウナの種類によって電気代の目安は大きく変わります。
家庭用のパーソナルサウナはランニングコストが低く、毎日使っても月数千円程度。
一方、業務用サウナは常時高温を維持するため、1日数千円、月に数万円単位で電気代が発生します。
そしてバレルサウナやテントサウナは、設置環境や季節によって電気代が変動しやすいのが特徴です。
自宅でのサウナライフを検討する際には、サウナの種類だけでなく、設置場所の環境や利用頻度も含めて試算することが重要です。