重要

ゴールデンウィーク期間中につきまして

マガジン

ADHDにサウナは効果あり?脳のノイズを脱ぎ捨てる「ととのい」の科学

ADHD

皆さんはこれまでサウナに入ったことがありますでしょうか。今現在では、サウナに入ったことがないという方の方が少ないのではないかと思います。
サウナに入ることで血行促進や疲労回復、深いリラックス感など、様々な健康効果が期待できます。
そのようなサウナの魅力は現在では日常に深く浸透し、世界各地でサウナに関心が非常に高まる「サウナブーム」として定着するまでになりました。
しかし、サウナの恩恵は単なる心身の回復ではありません。実は、脳の特性であるADHDを抱えている人にとっては、サウナは非常に相性の良いセルフケアツールでもあります。
そこで今回は、サウナがADHDの特性にどのようなポジティブな影響を与えるのか、ご紹介していきます。

ADHDとは?

ADHDとはAttention-Deficit / Hyperactivity Disorderの略であり、日本語で「注意欠如・多動症」と呼ばれています。
これは発達障害の一種で、脳の司令塔である「前頭前野」の働きが関係していると言われています。
前頭前野は思考や行動をコントロールする役割を担っていますが、その機能のバランスに偏りがあることで、主に3つの特性が現れます。

ADHDの主な特徴

ADHDの特性の1つ目として、「不注意」があります。
「不注意」は、ケアレスミスが目立ったり、大切なものを失くしたり、一つの物事に集中し続けることが苦手という特徴があります。
2つ目の特性としては、「多動性」があります。
「多動性」とは、じっとしていられず手足が動いてしまう身体的な多動だけではなく、頭の中が常に多弁で「考えが止まらない」という内面的な多動も含まれます。
最後の3つ目の特性は、「衝動性」です。思いついたら後先考えることなく行動してしまったり、他には相手の話を遮って自分の話をしてしまうといった状態を指します。
これらの特性は本人の努力不足ではなく、脳の仕組みによるものです。
特性をよく理解することが最も大切です。

ADHDを抱える方の悩みの一つとして、慢性的な疲労があります。
ではなぜそのような方々に、慢性疲労が起こりやすいのでしょうか。
実は、ADHDを抱える方の脳の中には、外部からの刺激を適切に判断する「フィルタリング機能」が十分に働きづらくなっています。
そのため、無意識に受け流せる街の喧騒や他人の話し声、さらには視界に入る小さなゴミといった些細な情報まで、すべてを「重要な情報」として一度に脳へ送ってしまうのです。
本来、脳はワーキングメモリ(一時的に情報を保管しておく場所)を使って情報を整理しますが、ADHDの方の場合、このメモリに情報がいっぱいですぐに限界に達してしまいます。
常にフルボリュームで情報を処理し続けている脳は、自覚がなくとも激しく消耗しています。
どれだけ寝ても取れない疲れの正体は、この終わりのない「脳内のノイズ」によるものが原因なのです。

ADHDの特性の背景には、脳内の情報を伝える「ドーパミン」や「ノルアドレナリン」という脳内物質が不足、あるいは効率的に働いていないことも関係しています。
「ドーパミン」は、やる気や集中力を司る報酬系に深く関わっています。
これが不足してしまうと、日常的な仕事に対して達成感を感じにくく、脳は常に「より強い刺激」を求めるようになります。
また、脳の覚醒状態を維持する「ノルアドレナリン」が不足すると、注意の切り替えが上手くいかなくなります。
その結果、ぼーっとしてしまいミスが増えたり、逆に一つのことに過剰に集中しすぎる「過覚醒」の状態に陥ったりと、覚醒レベルのコントロールが困難になります。
こうした脳内の物質のバランスが崩れることによって、さらなる注意散漫や衝動的な行動を引き起こす「きっかけ」になってしまっているのです。

なぜサウナがADHDの脳を整えるのか?

サウナに行ったことのある方は「整う」という言葉を聞いたことがあると思います。
サウナによる「整う」という体験は、サウナ・水風呂・外気浴を繰り返すことで訪れる、脳や心身が深くリラックスし頭が冴え渡る状態を指します。
実はこの状態、常に脳が働き続けて疲れやすいADHDの特性と驚くほど相性が良いのです。
ではなぜサウナがADHDの脳を整えるのでしょうか。単なる「気持ちいい」の裏側にある、ADHDの特性に突き刺さる4つの要因を詳しく見ていきましょう。

「強制シャットダウン」で脳のノイズを消す

一つ目の要因として、「強制シャットダウン」で脳のノイズを消すことです。
ADHDの脳の中では、「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」という回路が過剰に働いていると言われています。
これは、脳が意識的な作業をしていない時に動く回路で、いわば車でいう、「アイドリング状態」のようなものです。
この常に働き続ける思考回路を物理的に止めてくれるのが、サウナの極限状態です。
サウナ室の90℃を超える熱気、そして水風呂の冷たさのような「生命の危機」に近い刺激を受けることになります。
そうなると、脳は雑念を捨てて、「今、この瞬間を生き延びること」へ全リソースを強制的に集中させるのです。
その結果、散らかりすぎて仕方なかった脳のメモリがクリーンになり、本来の平穏を取り戻した瞬間、「静寂」になるのです。
サウナは、自分では押すことのできない脳の「リセットボタン」を押してくれる場所なのです。

脳内物質の最適化

二つ目の要因としては、脳内物質の最適化です。
ADHDの方が日常では感じにくい、「達成感」や「覚醒感」を、サウナの温度差によって引き出されます。
サウナと水風呂の交代浴をすることで、脳内報酬系が刺激されて注意や集中などの実行機能を司る「ドーパミン」という神経伝達物質が分泌されます。
ドーパミンが分泌されることでサウナ後は、「スッキリしてやる気がでる」という状態になりやすくなるのです。
また覚醒を司る物質であるノルアドレナリンが調整されます。
ノルアドレナリンが出ることで、ぼーっとしていた脳がシャキッとし、集中力の土台が整います。
そうして仕事の作業などにいつもより更に没頭して取り組むことができるようになるのです。

「感覚遮断」による脳の休息

三つ目の要因としては、「感覚遮断」による脳の休息です。
ADHDの特性を持つ方は、光・音・匂いなどの刺激に敏感(感覚過敏)なことが多いです。
常に感覚過敏になり、頭がパンクしてしまうため脳を休める必要があります。
サウナ室のほとんどは適度に暗く、テレビがないサウナでは音も静かです。
場所によりますが、現在ではサウナでは私語厳禁のところもあるようです。
現在では、よりスマホに触る時間や、多くの仕事を同時にこなす頻度が明らかに増えています。
サウナに入ることで、スマホやマルチタスクから物理的に切り離される「デジタルデトックス」の状態になるのです。
そうすることで自分自身の今の時間に没入することができます。自分に集中できるようになることで、オーバーヒートした脳をクールダウンさせます。

自律神経の「強制チューニング」

最後の要因として、自律神経の「強制チューニング」があります。
ADHDの方は、オン・オフの切り替えが苦手で、夜になっても交感神経が優位なままの状態である過覚醒になりがちであります。
ただ、サウナに入ることで改善されるのです。まずサウナに入り交感神経を刺激します。
その後、水風呂に入り更に交感神経を刺激します。そして外気浴を行うことで、副交感神経が急上昇します。
このプロセスを踏むことで自律神経の振れ幅を大きく動かし、オン・オフの切り替えを強制させます。
結果として、外気浴中に訪れる「ととのう」状態が、深いリラックス効果を生み出して、夜に良質な睡眠をとることができるようになるのです。
夜に深い睡眠をとれるようになることで、次の日には疲れが多くとれてその日の充実感を更に向上させてくれるようになるのです。

サウナに入る際のポイント

ここまでADHDに関する内容やサウナに関するメリットなどを説明してきました。
ADHDやサウナに対する理解がより深まったのではないでしょうか。
ここでは、ADHDの方がサウナを利用する際のポイントについてお話をしていきたいと思います。
ただ単にサウナに入っておけばADHDの特性にとってポジティブな影響を与えるというわけではありません。
正しいサウナの入り方を理解することでよりADHDの特性の改善にアプローチできるようになるのです。以降ではポイントを3つ紹介していきたいと思います。

短めのサイクルを繰り返す

一つ目のポイントとしては、短めのサイクルを繰り返すことです。
最近では、様々なインフルエンサーの方が、サウナの入り方について紹介していると思います。
巷では、8-12分サウナに入り、1-2分水風呂に浸かり、10分外気浴をする、これを2-3セット行う、ということが推奨であると言われています。
ただ、そのサイクルはあくまでも「推奨」です。人によっては熱いのが苦手な人、その場でじっとするのが苦手な人、水風呂に入るのが苦手な人などがいると思います。
必ずしもそのサイクルを行うべきというのではありません。
初めてサウナに入る方は、まずはサウナ、水風呂、外気浴を短い時間で行うことをお勧めします。
大事なことは、このサイクルを「繰り返す」ことなのです。

低温サウナでゆったり

二つ目のポイントとして、低温サウナでゆったり過ごすことです。
サウナ界主流のフィンランド式のサウナは、約90度のサウナが多く非常に温度が高いです。
ADHDの方の特性で、脳が常にフル回転しているため、高温すぎるサウナでは息苦しさや熱さというような刺激が強くなってしまい、意識がその方向に向いてしまいます。
リラックスするどころか、苦痛に感じてしまう人がたくさん現れるのではないかと思います。
一方で、低めのサウナに入ると息苦しすぎず熱すぎないため、呼吸の感覚を実感し自分の時間に集中できます。
そうして脳内をリラックスさせ、脳の疲れを「リセット」してくれるのです。
再度言いますが、ここで大事なことは「低温サウナ」でゆったり過ごすことです。

決まったルーティンで

三つ目のポイントとして、自分なりの決まったルーティンでサウナに入ることです。
ADHDの方は、次に何をすべきか迷う状況に陥ると疲れをより感じてしまいがちな特性があります。
そのため、「サウナ○分」、「水風呂○分」、「外気浴○分」とパターン化することが非常に効果的であると思います。
手順を固定しておくことで、毎度判断や選択することなくサウナに入ることができます。
そうして脳の消費するエネルギーを最小限に抑え、リラックスすることに全集中を注ぐことができるのです。
このような決まったリズムを繰り返すことで、脳に「今は休んでいい」と信号を送り、「ととのう」の効果を高めてくれるのです。
ただし、先ほどお伝えしたように初めは無理のない時間設定をすることが大切です。

ADHDの方がサウナを楽しむための注意点

ADHDの方がサウナのメリットの恩恵を最大限に受け、安全に楽しむためには、事前に知っておくべき「注意点」が存在します。
サウナは心身を整えるすばらしいツールですが、思わぬ不注意やミスによってADHDの方は脳の負担となってしまい、せっかくのリラックスタイムを台無しにしてしまうのです。
心地よくサウナというものを習慣化するために、利用前に具体的なリスクとその対策について確認していきましょう。
ここでは2つの注意点について見ていきたいと思います。

服用薬と心拍数

一つ目は、服用薬と心拍数についてです。
ADHDの方は、ADHD治療薬を服用している方もいらっしゃるかと思います。
ADHD治療薬の中には、交感神経を刺激し、心拍数や血圧を上昇させる作用を持つものがあります。
そのADHD治療薬を服用しサウナに入るとリスクが生じます。
それは、サウナに入ること自体も心拍数を上げるため、薬の効果と重なると心臓への負担が大きくなってしまう可能性があります。
ただ全ての治療薬がサウナに入ることへのリスクとなるわけではありません。ADHD治療薬を服用する際には、主治医へ相談することは必要不可欠です。
主治医に「治療薬を服用してサウナに入っても大丈夫か」「入るなら服用から何時間空けるべきなのか」を必ず確認してからサウナを利用することをおすすめいたします。

過集中による脱水と熱中症

二つ目の注意点としては、「過集中」による脱水と熱中症についてです。
ADHDの方は、好きなことに没頭しすぎてしまう「過集中」の特性も人によってはあります。
過集中の特性は、高い集中力があるという強みもありますが、サウナに入る際にはよく注意が必要です。
「過集中」の特性を持った人は、サウナの快感に夢中になってしまい、体の限界サインを見逃してしまうことがあります。
リスクとしては、あと少しだけ…と粘りすぎてしまい、脱水症状や熱中症を起こす危険性があります。
対策としては、サウナに入る時間を決めておき、設定時間を過ぎたら体調が良くても一度出ることです。
またサウナ前後だけでなく、セットの合間にも必ず多くの水分を摂ることをルールにすることも大切でしょう。

サウナで脳を整え、ADHD特性と上手く付き合う

いかがでしたでしょうか。サウナによるADHD特性に与えるポジティブな影響について理解がより深まったのではないかと思います。
ここまで見てきたように、サウナに入ることでADHDの特性に非常にポジティブな影響が期待できます。
一方で、入る際のポイントや注意点を理解しておかないと、かえってマイナスな効果にもなりうることを頭に入れておく必要があります。
「公共のサウナ施設では周りの目が気になってサウナに集中できない」「自分にぴったりの温度設定の施設が見つからない」「普通にサウナ施設まで行くのがストレスで面倒だ」という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな方に、検討していただきたいのがMySaunaの自宅用サウナです。
MySaunaではお客様の好みに合わせて自宅サウナをカスタマイズしております。
自宅サウナがあれば、どんなに忙しい毎日の中でも、理想の「ととのう空間」を手に入れることができます。
皆様の趣向に合ったピッタリのサウナを手に入れてみませんか?
自宅用サウナにご興味のある方、是非お気軽にお問い合わせください。


MySauna編集部 風間

MySaunaは、自宅・家庭用サウナの魅力を、多くの方にお届けしたいという想いで運営しています。
編集部「風間」は、外気浴や休憩空間の設計に深い関心を持ち、これまでに数多くのサウナ施設を訪問。
外気浴スペースの構造や通風・採光・音環境などが心身のリラックスに与える影響を、体感的に検証してきました。
最大限のととのい体験を実現するための工夫や実例に基づいた内容で、記事の監修を行っています。

人気の記事

よく読まれているページ

ショールーム お問い合わせ LINEでご相談
ショールーム お問い合わせ LINEでご相談